「おはよう。眠れた?」


「はい。よく眠れました。
立花さんは・・?」



立花さんの目の前のテーブルには、
紙とボールペンが置いてある。


「昨夜・・和也が寝た後に、

旅館の外に出て、
隼人と志郎と敬介に電話したんだ。

時間が時間だったからみんな寝てたみたいで、最初は文句言われたけど、

あんなに1人1人と長い時間喋ったのは初めてぐらいかも。」



「・・ひょ、ひょっとしてその紙は・・・。」



「本郷にね、
“この旅で感じたことを詩に書け”
って言われてたの。

曲作りって、大体曲を先に作ってそこに詞をつけるんだけど、

本郷が、
“次の曲はカスミが先に詩を書いて、
それに俺が曲をつけるから、
思ったこと何でも全部書け”って・・。」


「・・で、出来たんですか?」


「・・・・帰りの電車はきっと爆睡するから起こさないでね。」


立花さんは紙を僕に渡してくれた。