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メインのステーキはお互い食べ終わり、

コップに注がれたウーロン茶を立花さんは見つめていた。



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「・・・・でもね・・・。」




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「キョウコがあんなことになって・・・・。

気持ちの整理がつかないまま自分を誤魔化して、それでも前を向いて・・・。

志郎もあれだけ努力してくれたのに・・・
敬介も新しい風になってくれたのに・・・

・・・・“杏子”を書き終わって・・・・もうペンを持つ右手は誤魔化しきれなくなっちゃった・・・。」



次第に目に涙を浮かべながら、

立花さんは絞り出すように
気持ちを吐露してくれた。

いつも見ていた力強くてカッコ良い立花さんはそこにはいなくて、

嗚咽だけが部屋に響いた。




第10話 完