話通り、足湯が至る所にあって僕達以外の観光客で賑わっていた。


人生初の足湯は意外と気持ちが良く、
そして意外と何気ない僕の高校生活の話で、立花さんと盛り上がった。






少し街外れまで歩くと古びた神社があって、
“願いを込める石”なんてものがあったので、

備え付けの木箱に小銭を入れて、僕達はマーカーペンでそれぞれ石に願いを書く。


何を書こうか迷っていると、

ササッと書いた立花さんはたくさんの願いが書かれた石が転がるそこに、自分の石も置いた。



「和也も早く。何にもないの?」


「え~~~っと・・・・。」



結局パッと思い浮かばなかった僕は、
“健康第一”とありきたりな事を書いて、

“メジャーデビュー”
と書かれた石の隣にそっと置いた。