今回・・書き上げた詞に僕が付けたタイトルは、詞の中には出てきていない単語だった。


全体を見たときに、パッと思い描いた・・・ある言葉をタイトルに決めていた。


「なんてタイトル?」


「・・き・・。」




“ブーブー”

再び立花さんのスマホが鳴る。



「あ、ちょっと待って。

また本郷から来た。

・・・・“『霧』はどうですか?”
だって。」





・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・



「和也?どうしたの?」


「・・・・・・・・・は、はい。
大丈夫です。
『霧』でお願いします。」


「じゃあ私も読ませてもらうね!」


立花さんは一旦胸ポケットにしまっていた紙を取りだした。




第8話 完