「ねぇみんな。」
志郎兄妹の仲良さっぷりが展開される中、
空を見上げてずっと無言だったカスミがおもむろに口を開いた。
「どうした?」
「今日で確信したよ・・。
このバンドで・・・
絶対メジャーデビューしたい・・。」
「そりゃそうだ!
その為に俺達は突っ走るんだ。」
「うん!」
カスミの歌唱力は天才的だ。
あの声に惹きつけられた連中は今日のライブだけでも大勢いたはず。
「本郷!お前も何か言え!
・・・・・・・本郷?」
カスミの決意に乗っかるように、
もう1人の天才を促したけど、
左隣で横になっていたこいつは・・・
いつの間にか爆睡してやがる。



