友情が芽生えるのに、さしてじかんはかからないと、思った。馬場が好きな女の子をカミングアウトしたのがおおきいのか、ただ、たんに、休憩時間や昼食をともにとっていることで、情が芽生えたのかはわからなかったけれど、ただ、一つ言えることは、小早川アキには、恋愛対象としては、見ないようにしようということを、ぼくは、決めた。

馬場と小早川は、幼なじみというだけに、とても仲が良かった。小早川の弁当箱からおかずをとったり、異性に向ける心の壁がないように見えた。

好きな女の子にちょっかいをかけているだけなのか、馬場なりに、周囲に、小早川との仲を見せつけているのかは、わからないけれど、クラスメートには、マーキングにみえていた。

それでも小早川アキはクラスの男子に人気があるのは、まぎれもない事実では、あった。