春休みが終わり、高校生になった。本当に行きたかった高校ではなく、受験ギリギリに願書をだした、普通科の普通の高校。進学校でも、偏差値が高いわけでもなく、三人で行くはずだった高校でもない。

ただ、一つこだわったのは、男女共学ということだった。失恋は、新しい恋で上書きしてしまえばいいという短絡的な考えでしかないのだけれど、こんな事を思っているぼくは、まだ彼女の事が好きなのだと、痛感してしまうのだった。