「なんだろうね、やっぱ旦那に大切にされてるのかなぁ…。」
関崎が遠い目をして言った。
店員が来て、百瀬が頼んだ料理を次々と目の前に並べていく。
今日は関崎の奢りだろうから、遠慮なく好きなものをオーダーしたのに関崎の発言のせいで料理がそれほど美味しそうに感じない。
「あれ、面接対策には来ないの?友利さんのご主人。見てみたくない?」
「いや、来ないです。今日、案内したんですけど、面接対策は光チャイルドでやるみたいで。」
「ふぅん。残念だね。あ、美味そう。冷めないうちに、いただきます。」
関崎が洒落たカッティングボードに並んだステーキを箸で摘まみ上げる。
百瀬も関崎に続いてステーキに箸を伸ばした。
今日、友利みちかに面接対策の申し込みを断られ、残念どころかこれで友利みちかの旦顔と顔を合わせなくて済む、と百瀬はホッとしたのだ。
それからしばらく関崎と百瀬は黙々と料理を口に運んだ。
関崎が内装の可愛らしさだけで選んだ割にどの料理も味は良く、百瀬の気持ちは自然と和んでいった。
考えてみれば、関崎は良い先輩だと思う。
感が良くて鋭いけれど、その分話しやすいし、こうしてたまに美味しいものをご馳走してくれる。
そんなに頑なにならず、友利みちかへ抱く気持ちも軽いノリで話してしまってもいいのかもしれない、と酔いの回った百瀬は思った。
「でもさ、光チャイルドに面接対策頼むって、友利さんそんな事まで百瀬に話しちゃったりするんだね。」
関崎の言葉に、百瀬は最後の一切れのピザに伸ばした手を思わず止める。
「あぁ…。」
百瀬はなんとなく気まずく、一瞬、言葉を詰まらせた。
受験塾の併用は、普通、担当講師には話さないものだろう。
それが常識なのかもしれない事は百瀬も分かってはいた。
「俺が、進めたんです、夏休みは他の教室のルツ女対策コースに行った方がいいって。正直、うちのカリキュラムじゃ、まだまだルツ女対策は完璧とは言えないじゃないですか。」
「まぁね。それでいいんじゃない?仲良いじゃん、友利さんと。」
関崎が百瀬の目を見てニヤリと笑う。
百瀬も関崎の反応につられ、思わず顔がほころんだ。
「いや、ていうか…。あの人、面談の時とかすごい心細そうな顔するんですよ。やられますよ、あの表情には。なんとかしてあげたくなります。」
「ふぅん。いいじゃん、ももちゃん頼られちゃってるんだ。」
そうニヤニヤしながら言いつつも、関崎は半個室の一部壁の抜けた隙間から素早く店員を呼び止めオーダーをする。
「えっと、ビールを…、百瀬も飲むよね?」
百瀬が頷くと、関崎はビールを2人分オーダーした。
そして店員が遠のくと言った。
「羨ましいよ、友利さんの担当。俺も受験講師やりたいなぁ。」
「えぇ?関崎さんには無理ですよ。」
百瀬が冗談を言って笑うと関崎も爆笑した。
「うるさいよ!でもね、寺田リンちゃんのママにもよく言っといたから。百瀬はいい講師ですよって。そしたらなんて言ったと思う?百瀬先生、イケメンですもんね、だって。百瀬、母達の間で人気らしい。」
「はぁ?マジですか?俺、サッカー教室だと、母親たちの風当たりめちゃくちゃ強くて結構悩んでますけど。おかしいなぁ。」
百瀬が笑っていると、関崎が真面目な顔をして言った。
関崎が遠い目をして言った。
店員が来て、百瀬が頼んだ料理を次々と目の前に並べていく。
今日は関崎の奢りだろうから、遠慮なく好きなものをオーダーしたのに関崎の発言のせいで料理がそれほど美味しそうに感じない。
「あれ、面接対策には来ないの?友利さんのご主人。見てみたくない?」
「いや、来ないです。今日、案内したんですけど、面接対策は光チャイルドでやるみたいで。」
「ふぅん。残念だね。あ、美味そう。冷めないうちに、いただきます。」
関崎が洒落たカッティングボードに並んだステーキを箸で摘まみ上げる。
百瀬も関崎に続いてステーキに箸を伸ばした。
今日、友利みちかに面接対策の申し込みを断られ、残念どころかこれで友利みちかの旦顔と顔を合わせなくて済む、と百瀬はホッとしたのだ。
それからしばらく関崎と百瀬は黙々と料理を口に運んだ。
関崎が内装の可愛らしさだけで選んだ割にどの料理も味は良く、百瀬の気持ちは自然と和んでいった。
考えてみれば、関崎は良い先輩だと思う。
感が良くて鋭いけれど、その分話しやすいし、こうしてたまに美味しいものをご馳走してくれる。
そんなに頑なにならず、友利みちかへ抱く気持ちも軽いノリで話してしまってもいいのかもしれない、と酔いの回った百瀬は思った。
「でもさ、光チャイルドに面接対策頼むって、友利さんそんな事まで百瀬に話しちゃったりするんだね。」
関崎の言葉に、百瀬は最後の一切れのピザに伸ばした手を思わず止める。
「あぁ…。」
百瀬はなんとなく気まずく、一瞬、言葉を詰まらせた。
受験塾の併用は、普通、担当講師には話さないものだろう。
それが常識なのかもしれない事は百瀬も分かってはいた。
「俺が、進めたんです、夏休みは他の教室のルツ女対策コースに行った方がいいって。正直、うちのカリキュラムじゃ、まだまだルツ女対策は完璧とは言えないじゃないですか。」
「まぁね。それでいいんじゃない?仲良いじゃん、友利さんと。」
関崎が百瀬の目を見てニヤリと笑う。
百瀬も関崎の反応につられ、思わず顔がほころんだ。
「いや、ていうか…。あの人、面談の時とかすごい心細そうな顔するんですよ。やられますよ、あの表情には。なんとかしてあげたくなります。」
「ふぅん。いいじゃん、ももちゃん頼られちゃってるんだ。」
そうニヤニヤしながら言いつつも、関崎は半個室の一部壁の抜けた隙間から素早く店員を呼び止めオーダーをする。
「えっと、ビールを…、百瀬も飲むよね?」
百瀬が頷くと、関崎はビールを2人分オーダーした。
そして店員が遠のくと言った。
「羨ましいよ、友利さんの担当。俺も受験講師やりたいなぁ。」
「えぇ?関崎さんには無理ですよ。」
百瀬が冗談を言って笑うと関崎も爆笑した。
「うるさいよ!でもね、寺田リンちゃんのママにもよく言っといたから。百瀬はいい講師ですよって。そしたらなんて言ったと思う?百瀬先生、イケメンですもんね、だって。百瀬、母達の間で人気らしい。」
「はぁ?マジですか?俺、サッカー教室だと、母親たちの風当たりめちゃくちゃ強くて結構悩んでますけど。おかしいなぁ。」
百瀬が笑っていると、関崎が真面目な顔をして言った。

