「ユ、ユメちゃんが結婚…」
「こら、まだ泣いちゃダメ!メイク崩れちゃうってば!」
「ご、ごめ…だって…」
「…ったく。そういえば拓海くんはどしたの?準備ができたら一番に見せてってあれだけ言ってたのに」
「なんか廊下でリュウジくんに捕まってたよ。スピーチ緊張しすぎて死にそうとか騒いでて…」
「はぁ?リュウジは相変わらずだな。私が拓海くん呼んできてあげるから待ってて」
「うん」
パタンッと扉が閉まりユメちゃんが控え室から出ると、鏡に映る自分の姿をじっくり見る。
すごい…これが私…?
憧れていた純白のウェディングドレス。
綺麗にセットされた髪に素敵なメイク。
ユメちゃんがしてくれるメイクは決して派手なわけじゃなくて。
色使いがすごく綺麗で、温かみもあって、その人の良さを最大限に生かしてくれる。
自然な美しさを引き出してくれる、そんなメイクなんだ。


