「なんで…こんなときまでっ、以心伝心しちゃうの…」
「えっ?」
泣きすぎて上手く言葉にできないまま、ブランコから立ち上がる。ゆっくり歩みを進め、近くのベンチに置いていた箱を取って。
それを…たっくんに差し出した。
「この箱の中に、私の気持ちが全部詰まってるから…見てくれる?」
本当は実家に帰ってから私の部屋か、たっくんの部屋で二人になったときに渡す予定だったんだ。
だって、きっと私もたっくんも…泣いちゃうから。
「え?これって…」
受け取った箱をソッと開けて中身を見たたっくんは、目を見開いたまま動かない。
予想外、だったかな?
でもね、私もちゃんと伝えたい。


