「なに…?」
「あのさ、誕生日プレゼントに欲しいものがあるって言ったの覚えてる?」
「うん。覚えてるよ」
「そのことなんだけど…」
そこまで言って私の前に回り込んだたっくんは、今度はブランコに座る私と目線を合わせるようにしゃがみ込む。
あの時と……同じだ。
「朱里の人生を俺にくれないかな?」
「え……?」
「ここからまた始めたいんだ」
静かな公園内に響くのは、大好きな人の声。
スーツのポケットから小さい箱を出したたっくんは、それを私に差し出して。
目の前でパカッと開けられたその箱の中には、キラキラと輝く綺麗な指輪が入っていた。
「朱里、俺と結婚してください」
その瞳に真っ直ぐ私だけを映しながら突然されたプロポーズに、私の目からは大粒の涙が溢れていた。
たっくんはいつだって…私の予想を上回ることばかりしちゃうんだ。


