懐かしい地元の景色を見て昔話に花を咲かせていると、次に見えてきたのはあの公園。

思い出が詰まったこの場所で、自然と私の足は止まる。

そんな私に気付いたたっくんは、笑顔で公園を指さした。




「久しぶりに寄ってかない?」

「うん、そうしよっか」




公園を一周してみると、あの頃と少しだけ変わっていた。

薄明かりだった公園内には、外灯が設置されていて。古くなった遊具は撤去され、代わりにあの頃にはなかった見慣れない遊具があったりして。

子供の頃に見ていた景色とは違っていて…なんだか寂しくなった。




「この公園…少し変わっちゃったけどさ、俺達がこの場所から始まったことは一生変わらないよ」

「うん。ちょっと寂しくなっちゃったけど…そうだよね」




私が16歳になった日、ここから全てが始まったんだ。

ううん、もしかしたら…

まだ3歳だったあの日。
幼かったたっくんがこの場所で初めて私に気持ちを伝えてくれたあの瞬間から、私達の物語は始まっていたのかな。

たっくんの言う通り、どんなに時代が流れて景色が変わってもその事実は変わらない。

そう思うだけでこの場所が愛しく思えてきて、急にくすぐったくなった気持ちを誤魔化すようにブランコに腰掛けた。