眠りに就く前は、ベッドの中で手を繋ぎながらお互い今日の出来事を話すのも私達の日課。
「今日、生徒達が朱里の写真見せろってうるさくてさ」
「えっ!?まさか見せたの…?」
「見せるわけないじゃん。可愛いとか言われたらムカつくし。朱里の可愛さを知ってるのは俺だけで充分」
「そ、そっか」
「誰にも見せたくないんだよ。朱里は俺だけのものなんだから」
間違いなく独占欲は昔より強くなってる。
「私はね、今日…」
「スー…」
昔と変わったのは、私よりも早く寝るようになったこと。
全くそんな素振りを見せないけれど、本当はすごく疲れてるんだと分かる瞬間でもある。
「スー…」
私の隣で安心したように眠るたっくんを見て、私の心は満たされる。
ソッと寄り添うと香る甘い匂い。
この香りは柔軟剤や香水の香りではなく、たっくん自身の香りだと知ったのは、一緒に生活をするようになってから。
この香りが好きすぎて、先に眠るたっくんの胸に顔を埋めるようにして私も眠りに就く。
「たっくん…大好きだよ」
たっくんと毎日を過ごす度に“好き”がどんどん溢れて行く。
満タンになったって、溢れる気持ちを止めることなんてできない。
それくらい毎日幸せで、最近すごく思うことがある。
結婚……したいなって。


