「ただいま」
キッチンに立つ私に挨拶をするたっくんは朝と同じくキラキラな笑顔。
疲れてるはずなのに、そんな雰囲気微塵も感じない。
「たっくん、おかえり。今日もお疲れさま」
「ありがと。朱里もお疲れさま」
たっくんは、いつも私の頭をポンッとしてからネクタイを緩める。
私だけに見せてくれるこの仕草がすごく好き。
「今日はハンバーグ?美味しそう」
「できるまでもう少しかかるから先お風呂入ってくる?」
「うーん…でも、こうしてたい」
料理中の私に後ろから引っ付きもっつきするところも、
「たっくん…そんなに引っ付いたらハンバーグ焼けないよ?」
「ウザイ?迷惑?邪魔?」
「ううん、全然そんなことないよ。どっちかと言えば…嬉しい、かも」
「じゃあこうしてようよ。離れたくない」
二人になると甘えたになるところも、
「でも…お風呂は?」
「朱里と入りたいから食後でいいや」
「い、一緒に…?恥ずかしいよ…」
「ダーメ。今日は一緒に入るって俺が決めたんだから」
優しいけれど時々強引なところも…あの頃のまま。


