───コンコンッ!ガチャッ!
「入るわよ~」
「!」
そんな甘い雰囲気の中、唇が触れかけたところで突然オバさんが部屋に入ってきたから私は半ばパニック状態。
いや、突然といってもノックはちゃんとしてたよ?
でも、今ノックと同時に入ってきたよね…?
まだ唇は触れてなかったけれど、ギリギリのところを彼氏の親に見られてしまったなんて…
……恥ずかしすぎて死ぬ。
なんて思うのは、私一人だけらしく。
「あらぁ、ごめんねぇ。一応ドアのとこで聞き耳立てて大丈夫そうだと思ったんだけど…」
き、聞き耳!?!?
「なにがどうなって大丈夫だと思ったの?」
「えー?だってそれらしき声とか聞こえなかったし」
そ、それらしき声………!?!?
「いい加減ノックと同時に入ってくるのやめて。大丈夫じゃないときもあるんだから」
「そうよねぇ。音だけじゃ分かんないか。以後気を付けまーす」
そんな…大丈夫じゃないときもあるなんて、サラッとすごいこと親に言っちゃう!?
オバさんも普通に納得しちゃうの!?
「じゃあ改めてチューしちゃって?あっち向いてるから。はい、どうぞ~」
「は?何が楽しくて親の前でそんなことしないといけないわけ?あとでするから放っといてくれる?」
この親子には恥じらいとかないの?
いつでもなんでも堂々と言い合って…
しかも顔色一つ変えずにだよ?
ダメ…この親子を見てたら頭がクラクラする。


