「全部美味しそう。どれにしようかな?」
ローテーブルに置かれた数種類のお菓子を見ながら、頬杖をついて悩み始めるたっくんにキュンとする。
昔からすぐ頬杖ついちゃうのは癖なのかな?
すっごく可愛い…
「あ、あのね、このイチゴ味のチョコが美味し…」
キュンとしてくすぐったい気持ちをごまかすように、オススメのお菓子を指さそうと手を伸ばす。
けれどそれを阻止するように、伸ばした手はたっくんの頬杖をついていない方の手で強く握られた。
驚いてお菓子に向けていた視線を隣に移してみると、一瞬息が止まった気がした。
だって、たっくんのその表情が高校生とは思えないほど色っぽかったから。
さっきまで可愛いと思っていたのに…
こんな大人みたいな顔も見せるたっくんに、私の心臓はうるさいほど音を立てていた。
「これが一番美味しそうだから食べちゃいたい」
手を伸ばし、私の下唇に親指を這わせるみたいに左右になぞるたっくんは色気をたっぷり漂わせて。
もう、くすぐったいとかのレベルじゃない。
心臓が潰れてしまいそうなほど痛いのに…
どうやったって、このドキドキを止めることができないんだ。


