マサトくんは涙を拭いながら、私に微笑みかけてくれる。

でも…その笑顔が切なかった。




「どうして笑ってくれるの…?」

「これで佐伯先輩と友達になれるから」

「友達…?」

「はい。ちゃんとフッてもらえて良かったです。ありがとうございます」



イジメ、裏切り、濡れ衣……

他人にたくさん傷つけられたマサトくんは、誰よりも人の痛みを知ってるはずだから。

きっと、私が罪悪感に苛まれないように、苦しんだりしないように…

笑って友達になろうとしてくれてるんだ。




「佐伯先輩、改めて僕と友達になってくれますか?」



だったら私も、その想いに応えよう。

私も涙を拭って、精一杯に笑って見せた。




「うん、もちろん」

「良かった。今日から本当の友達ですね」




曇りのないその笑顔に、救われた気がした。




「あ…また流れ星」




どうか…マサトくんが幸せでありますように。

無数に輝く星の中で見つけた流れ星にそう願った。