「…俺、喉渇いたから飲み物取ってくるね」
「え?私も一緒に行こうか?」
「ううん、平気。マサトと星見てて」
「分かった。待ってるね」
突然立ち上がったたっくんが静かにその場を離れると、私はまたキラキラと輝く星空を見上げた。
「これで見てみますか?」
座って星空を見上げていた私を上から覗き込むように、視界いっぱいにマサトくんが映る。
マサトくんは、私に双眼鏡を差し出してくれていた。
「いいの?」
「はい。よく見えますよ」
「ありがとう」
お礼を言って、マサトくんから受け取った双眼鏡を覗いてみる。
その瞬間…美しすぎる星空に息を飲んだ。
「すごい…宝石が散りばめられてるみたい…」
「綺麗ですよね」
「すっごく綺麗…」
空を見てこんなに感動したのは初めてかもしれない。
私はこの星空を一生忘れないと思う。
それくらい、美しいと思ったんだ。


