「でも拓海くんが嫌だと思うならやめとく。二人の仲を邪魔する気は微塵もないから」
「マサト、俺…」
「たっくーん!マサトくーん!一緒に泳ごー!」
俺の言葉を遮るように、海辺にいる朱里は楽しそうにブンブンと両手を振る。
そんな朱里にマサトも笑顔で手を振り返していた。
「拓海くん、行こっか」
スッと立ち上がり俺にも笑顔を向けるマサトに…また、たまらなく切なくなった。
答えなんて分からない。
だから、今の俺がどうしたいのか。
きっと、これが答えなんだろう。
「……いいよ」
「え?」
「朱里に想い、伝えていいよ」
これが俺の今の想いの形だから。
恋は甘いだけじゃない。
時に苦くて…そして、切ない。
朱里はこんな気持ち…知ってるのかな?
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