今日もたっくんに溺愛されちゃっています。






このキャンプに来る前、マサトから受け取った交換ノートにはこんなことが書かれていた。



“佐伯先輩と後藤先輩がキャンプに誘ってくれた。正直、行こうか悩んでる。学校以外で佐伯先輩と一緒にいると新たな部分を知ってますます好きになりそうで…怖いんだ。こんなことを考える僕は行かない方がいいのかな?拓海くんどう思う?拓海くんが行くなって言うなら僕は行かない”

“マサトの思うようにすればいいよ。一つ言えることは、朱里を想うマサトの気持ちは誰にも止められない。たとえ朱里の彼氏の俺でもね”




俺は残酷なことをしてるのかもしれない。

行くな、さっさと諦めろって言うことができれば…

マサトは楽になれるかもしれないのに。

でも、どうしても言えなかった。

マサトが大事だから…朱里に対する強い想いが痛いくらい伝わってくるから。




“僕、キャンプに行くことに決めた。それで…佐伯先輩に想いを伝えたいと思ってる。拓海くんの気持ちを聞かせてください”





夏休みに入る前の日にマサトから受け取ったノートには、こう書かれていた。

何度も消しては書いた跡があり、書かれていた文字もいつもと違う。

きっと、悩み抜いて震える手で書いたんだと思う。

これはメールだと絶対に分からなかったことだから、ノートという手段を選んでよかったと思った。




そのノートを受け取って2週間あまり。

俺は…迷っていた。