「でもね、夜は女の子同士で恋バナしたり女子トークたくさんするんだよ?私、すごく楽しみにしてて…」
「うん、たくさんしなよ。でも寝るのは俺と一緒ね」
「う、嘘でしょ…?なんで…?」
「寝てる間に変な男がテントに乱入してきたらどうするの?朱里みたいな可愛い子が寝てたら絶対拐われるでしょ」
「そんなの有り得ないよ…」
「有り得るんだってば。いい加減自分の可愛さを自覚して?なんで鍵付きのテントないのかなぁ…」
そんなこと言われても…
まさかキャンプに来ても心配症が炸裂しちゃうなんて思わなかった。
自分の荷物を持ち、ゾロゾロと戻ってきたみんなは事情を知っているのか私達を見て苦笑いしてる。
「過保護もここまで来ると尊敬に値するな。おまえはどれほど佐伯が好きなんだよ?」
「どれほどって聞かれると…死ぬほどだけど」
呆れたようにリュウジくんが聞けば、たっくんはキッパリと言い放つ。
お願いだからみんなの前で平気な顔してそんなこと言わないでほしい…
体温が急上昇した気がするのは、夏の暑さのせいか否か。顔から火が出そう…


