「凜、年下とは付き合ったことないけどぉ…マサトくん超可愛い顔だしタイプかもぉ」
「え?僕、ですか?」
「ウブな年下くんに色々教えてあげたいなぁ~」
「あ…あの、その…えっと…近い、です」
「いやーん、オロオロしちゃってほーんと可愛い~」
積極的なボディータッチに完全に困り顔のマサトくんを見て思う。
オロオロしてるのは凜ちゃんがマサトくんの腕に胸を押し付けてるからだと思うんだけど…
なんとか助けてあげないと可哀想。ここはお兄ちゃんのシュウくんに…
と、視線を送るものの肝心のシュウくんは未希ちゃんと共にかなり後ろの方を歩いていて、私の視線になんて気付きもしない。
はぁ…仕方ない、じゃあ私が。
「凜ちゃん、いい加減に…」
「無駄だよ。マサトには好きな人いるから」
私の声と重なるように言葉を発したたっくんは、マサトくんを助けるように二人の間に割って入る。
「ね、マサト?」
「え?あ…う、うん」
「えー、つまんなーい」
好きな人?
マサトくん、たっくんにはそういう話もするんだ。
信頼してないとそんな話できないと思うし…
マサトくんにとって、たっくんは何でも話せる存在ってことだよね。
そう思うと、なんだかすごく嬉しくなった。


