「ねぇ!結婚してくれないのー?」

「え?えーっと…するっ!結婚しようね」

「ほんとっ?いつしてくれる?」

「いつって言われても…」

「何月何日?ねぇ、いつ?」

「えっと…えっと…」




予想外に具体的な日にちを求められてしまい返事に困っていたとき、



「朱里ー」




救世主のようにお母さんがやって来てくれたから、ホッとした。

子供の勢いってすごい…



「お母さん、どうしたの?」

「パウンドケーキ焼いたからたっくんの家に持って行ってくれる?」

「え?今?」

「友達来てるみたいだし、みんなで食べてもらってよ」

「そっか、分かったよ。私もみんなに渡したいものあるし行ってくるね」



たっくん、今日はシュウくんとハルくんに勉強教えてあげるんだって。

それを聞いて昨日の夜チョコクッキーを焼いたんだ。

私にとって初めての友チョコ。

シュウくんもハルくんも友達だしね。

マサトくんにも作ったから、シュウくんに渡してもらおっと。

あとは、凜ちゃんにもクッキー渡して~…
あ!ユメちゃんとリュウジくんにもあげたい。

わー、友チョコって楽しいかも。




「じゃあ行ってくるね」

「あかりちゃん待って!僕も行くっ!」

「海斗くんも?みんなお勉強してるから静かにできる?」

「うんっ」



大丈夫かなぁ…

まぁ、お菓子渡すだけだしいいよね。