「えっと…詳しく言うとね、優しいとこ。いつも一生懸命なとこ。心配症なとこ。たまに強引なとこ。ヤキモチ妬きなとこ。甘えたなとこ。寝顔が可愛いとこ。あとは…私を溺愛してくれるとこ。まだまだあるからキリがないけど…どんなたっくんも大好きだよ」
「朱里…」
俺にだけ見せてくれるその赤い顔で、
他の奴には見せたくないと思うほど可愛いその笑顔で、
朱里は一生懸命にそんなことを言ってくれる。
「急にごめんね。ユメちゃんがね、記念日に彼氏のどんなとこが好きか伝えたらすごく喜んでもらえたって言ってて…私もたっくんに喜んでもらいたかったの」
ああ…可愛い。可愛い。可愛い。
俺は朱里が隣にいてくれるだけで幸せなのに、そんなことを考えてくれてたなんて。
いつ言おうかずっとドキドキしてたのかな?
そう考えただけで、また愛しさが増す。
「そんな嬉しいこと言われたらさ、ますます朱里のこと溺愛しちゃいそうだけど…いいの?」
「うんっ、もちろん」
こんなに可愛く笑う朱里が隣にいてくれるなんて、間違いなく俺は宇宙一の幸せ者だ。
「それで、ね。プレゼントがあるの。準備するから…目瞑っててくれる?」
「プレゼント?なんだろ」
さっきの言葉だけで充分すぎるほど嬉しかったのに他にも何かあるらしい。
なんだか子供に戻ったみたいな気持ちでワクワクしながら目を閉じると、フワッとシャンプーの香りが鼻を擽って…
隣にいる朱里がもっと近くに来たのを感じていた。


