今日もたっくんに溺愛されちゃっています。




静かな教室に、クスッという乾いた笑い声が響きました。



「先生~…ダメじゃん。生徒から絶大な人気を誇る先生ならどっちの味方するのが正しいか分かりますよねぇ?」



親友は見たこともないような歪んだ顔でニィ、と笑うと先生に語りかけます。




「俺は名家の跡取りなので常に成績トップでいないといけないんです。俺がいつも必死に勉強してるの先生も知ってますよね?それに引き換えAは…勉強なんてただの趣味、成績なんてどうでもいいなんて言いながら簡単にトップ取っちゃう奴なんですよ」

「それがこんなことをした理由なのか?」

「充分すぎる理由だと思いますけどね。俺がどんな重圧の中で生きてるか、トップ取るためにどれだけ努力してるか知りもせず…とにかく俺はAに消えてほしい、それだけなんですよ」




どうやら親友は彼を陥れるために、あたかも彼がカンニングをしているかのように仕向けていたようです。

それが親友が仕掛けた罠だという事実に、彼はとてもショックを受けていました。



それでも先生は…“味方”だと言ってくれた先生だけは…絶対に裏切らない。

彼に残された望みは、もう先生だけでした。