「こんなことさせて悪いな。実はまた匿名で学校に連絡があって…内容は前と同じだった」
「でも僕は本当にカンニングなんて…」
「分かってる。でも、これを見てほしいんだ」
そう言って彼が並べた答案用紙と照らし合わせるように、別の答案用紙を並べていく。
「これは…Bのなんだけど、」
少し言いにくそうに、そんな言葉を紡ぎながら。
「AもBも…全教科全く同じところを間違えてるんだ。こんな偶然あるか?」
「それは…」
そんな偶然、絶対あるわけないと思いました。
だけど、彼は本当にカンニングをしていない。
だとしたら…考えられる可能性は一つだけでした。


