その日の放課後、彼はまた担任に呼び出されました。
朝の黒板事件で噂が学校中に広まってしまい、彼が廊下を歩けばヒソヒソと話す人がいたり軽蔑するような目を向けられたり。
クラスメイトには散々悪口を言われ、ゴミまで投げつけられて。そんな状況に、彼は少しうんざりしていました。
「間違った噂が流れて嫌な思いしてるよな?でも大丈夫。先生はAの味方だし信じてるよ」
「っ、先生…ありがとうございます」
大勢の人間から蔑みの目で見られていた彼にとって、“味方”という言葉はとても嬉しいものでした。
けれど、喜んでいる場合ではありません。
その日を境に平凡だった彼の日常は大きく変わってしまったのです。
学校の中はもちろん、外を歩いていても学校の人に会えば“カンニングをして学年トップになった最低な奴”、それから、”成績トップになるために名家の御曹司を利用している奴”というレッテルを貼られ、
どこにいても後ろ指を指され続けた彼は、少しずつ学校に行くのが嫌になっていきました。


