そして翌朝。
教室に入った瞬間彼は…立ち尽くしました。
“偽りの学年トップ、Aの趣味はカンニング!”
全く身に覚えのないことが、大きく黒板に書かれていたからです。
でも本当に心当たりのないこと。
彼は堂々と黒板に書いてあることを消していきます。
クラスメイトは書かれていることを鵜呑みにしてしまったのか、少し離れた所から冷たい目で彼を見ていました。
そんな中、親友だけは消すのを手伝ってくれました。
「変な噂、気にしない方がいいよ」
笑って言う親友に、
「全然気にしてないよ」
彼も笑って答えました。
そんな態度すら気に食わないと、腹を立てている人間がすぐそばにいるなんて気付くこともなく。


