「はい、交換ノート書いてきたよ。読んで」
「…いつも長すぎて読むの疲れる」
マサトがウンザリとした表情でため息をつくのも無理はない。
一行程度で終わるマサトとは違い、俺は毎回2、3ページぎっしりと書いているのだから。
内容は高校でこんな勉強したとか、友達とこんなバカな話をした、とか。
だけど、大半は…朱里のこと。
「なに、またノロケ?」
「いいじゃん。幸せのお裾分けだよ」
「……アホくさ。寝る」
パタッとノートを閉じたマサトは、それを適当に放るとすぐにベッドに転がった。
俺に背を向けるのはいつものことだから別に気にしない。
ただ時間を無駄にしたくないから、この時間を使って俺はまた交換ノートにペンを走らせるんだ。
つまり俺は毎日この時間と家に帰ってからの二回、交換ノートを書いていることになる。
苦痛だとか面倒だとか、そんなこと一切思わない。
だって、友達のために必死になるのは当然のことだから。


