不思議に思ってたっくんに視線を向けてみると、人差し指で携帯の画面を指さしていて。
こんなに近くにいるんだから口で言えばいいのにどうしてわざわざメールなんて…と思いながら携帯に視線を落とした。
“キスしていい?したくてしたくてたまらない”
「…っ」
そして、画面に映し出されたそんな一文が目に飛び込んでくると、頭から湯気が出るんじゃないかと思うほど顔が熱くなった。
真っ赤になっているであろう頬を隠しながら視線をたっくんに戻すと、何だか楽しそうにクスクス笑ってる。
「ね?文字で気持ち伝えるって新鮮でなかなか楽しいでしょ?」
「ふ、不意討ちはやめてよ。心臓が潰れそうっ…」
「顔真っ赤にして可愛い…ますますキスしたくなっちゃった」
言いながらたっくんの顔はもうすぐそばにあって。心の準備をするために「待って」と言えば、「待てない」と返されてしまった。
どうして最近こんなにキスしたがるの…?
し、心臓が…持たないよ。
「大好きだよ、朱里…」
「ん…」
──結局この日も、たっくんの気が済むまで甘い甘いキスを浴び続けたのだった。


