「マサトくんはきっともう、たっくんにすっごく救われてるんじゃないかな」
そんな言葉を発した私に、たっくんは優しく微笑んでくれる。
「今ね、マサトと交換ノートしてるんだ。家に帰ってからずっとそれを書いてた」
「交換ノート?」
「そう。口では言えなくても文字にすれば言えることってあるから。結構新鮮で楽しいよ」
「なるほど…いい考えだね。でも無理しちゃダメだよ?私にできることあったらなんでも言ってね?」
たっくんは、また優しく微笑んでくれる。
それだけで、たまらなく嬉しくなった。
「ありがと。でも平気だよ。直接会話するとぶつかっちゃうけど交換ノートにはわりと本音を書いてくれるから」
「そうなんだ。ねぇ、それってたっくんはどんなこと書いてるの?」
私の素朴な疑問に少し考え込むような仕草を見せたものの、たっくんはすぐ意味ありげに笑う。
「それは内緒」
「えっ?なんでなんで?」
「男同士の秘密だから」
「ズルーイ…」
拗ねたようにプゥッと頬を膨らませば、たっくんは「可愛いね」と笑って携帯を弄り始めた。
たっくん、私と一緒にいるときはあんまり携帯触らないのに珍しいな…なんて思っているとベッドに放り投げたままの私の携帯が鳴り響く。
画面を開くと、メールの差出人はたっくんで…意味が分からない私は首を傾げた。


