「ごめんね、忙しかったよね?邪魔してごめんなさい…っ」

「前に言ったじゃん。朱里のこと邪魔だなんて思ったこと一度もないって」

「でもたった一日顔見てないだけでこんなの…変、だよね…」

「ううん、可愛すぎてどうしようかと思った。だって朱里が俺の顔見れないのが寂しくて泣いてるんだよ?もう嬉しくて飛んできちゃった」


こんなことで泣いちゃう面倒な彼女なのに、たっくんは笑って受け止めてくれる。

たっくんに抱きしめられると温かくて…
涙と一緒に“好き”が溢れた。



「たっくん…大好き」

「俺も大好き。全然連絡できなくてごめんね」



たっくんの腕の中で優しく髪を梳かすように撫でられるとすごく幸せな気持ちになって、寂しかった気持ちもどこかに飛んで行った気がした。



「ううん、毎日バイト頑張ってるんだもんね」

「んー…バイト、って感覚はないかも。ただ、マサトを救ってあげたい」



私を抱きしめていた腕を離したたっくんは、バイト代を貰うのは断ったんだと話してくれた。

一人の友達として向き合いたいから、お金を貰う必要なんてないって。


「朱里貯金できなくてごめんね」って私に謝ってくれたけどね、私はそんなたっくんが大好きなんだよ。

優しくて、温かくて、真っ直ぐで、一生懸命なたっくんが…すごく好き。