「朱里、泣いてるの?」

「違うの…通じ合ってるなぁって思ったら涙出ちゃって…」



私はバカなのかもしれない。

ただ、同じタイミングで顔が見たいと思っただけなのに、そんな小さなことが嬉しくて泣けちゃうなんて。



「どうしたの?もしかして寂しかった?」

「…うん。たっくんの顔見れなくてすっごく寂しかった」

「…ああ、もうっ!すぐ行くから待ってて!」



珍しく大きな声を出したたっくんは頭をガシガシと掻いて。そして30秒後にはバタバタと階段を駆け上がる音と共に私の部屋のドアが開いて、気付けば目の前には…たっくんがいた。


「寂しい思いさせてごめん」

「たっくん…来て、くれたの?」



目の前にたっくんがいることが嬉しくて、思わず胸に飛び込んだ。そんな私を受け止めるように優しく抱きしめ返してくれるから…

溜まっていた涙がパタパタと零れ落ちた。