洗い物を終えると、ひたすら子供達の寝顔を見続けていた。そんな私の隣に先輩が腰掛ければ思わず身構えてしまったけれど、対照的に先輩は楽しそうだ。


「アハハ、そんな構えなくてもいいのに。そういうのが逆に男心をくすぐるって知らないの?」

「そ、そんなの知りません!」



逃げるように少し距離を取って座り直す私に、先輩は肩を竦めながらも笑っている。

この人は危険だ。だけど、たっくんと同じように優しく笑う人だから…憎めない。



「そういや朱里ちゃんってもう進路決めてるの?」

「いえ、まだ何とも…って感じです。先輩は?」

「俺?俺は料理の道に進むつもり」

「へぇ…意外です」



意外だけど、一人暮らしだと自分で料理しないといけないもんね。

パンケーキすごく美味しかったし、きっと料理も上手なんだろうな。