「ドキドキしてもらいたくて……?」

「そう。からかってるわけでも面白がってるわけでもないよ」

「そ、それって……」



鈍感な朱里が俺の気持ちに気付いたのかは分からないけど、もういい加減気付いてほしい。

だから気持ちを伝えるように、目の前にいる朱里をソッと抱き寄せた。



「たっくん…?」

「朱里、今俺に抱きしめられてドキドキしてる?」

「…うん。でも、恥ずかしいよ……」

「俺も恥ずかしい。でも…すごくドキドキしてる」



朱里、気付いた?


からかってるわけでも面白がってるわけでも欲求不満なわけでもない、ただの幼馴染みの俺がどうして朱里にここまで構うのか。


俺が今感じてるドキドキの正体と、朱里が今感じてるドキドキの正体がもし一緒だとしたら…


そのときは覚悟しててね?



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