「ところでそのプリントは結局何なの?」

「俺が作ったんだよ。これをバイトで使うから」

「バイトで?てことは誰かに勉強教えるの?」

「うん。中学生の家庭教師することになった」





家庭教師って…つまりマンツーマン?

こんなかっこいい先生ヤバイよね?

おまけに優しくて教え方まで上手なんだよ?

そんなの…絶対恋されちゃうに決まってる!

それで告白されて、密室だから迫られたりとか…


家庭教師、絶対阻止決定。




「その子、絶対たっくんを好きになっちゃうからダメダメ、絶対ダメっ!」

「もー…朱里どんだけ俺のこと好きなの?可愛すぎるんだけど」

「だって…」

「安心して。シュウの弟だから」

「弟…?」

「そう。つまり男子中学生ね」



なんだ、男の子か…

と、本気で胸を撫で下ろせば、たっくんはどこか嬉しそうに目を細めた。