「隠したってお見通しなんだからそういう顔は隠さずしっかり見せてよ」


隠していても私の顔が赤いことくらいたっくんにはお見通しらしい。

観念してゆっくり顔から手を離し、たっくんと視線が重なるとますます顔に熱が集まってくる。



「そんな可愛い顔見ちゃったらますます寝れないかも」

「もしかしてずっと起きてたの?」

「うん。飽きることなくずーっと寝顔見てたらいつの間にかもうすぐ朝になっちゃうね」



ず、ずっと寝顔を…?

そんなことを言われてしまうと、また更に顔が熱くなる。



「一体どんな夢を見てたの?」

「えっ…夢?」

「だって寝ながらボロボロ泣いてると思えば“たっくんセレブにお金貰っちゃヤダ”とか“小悪魔にメロメロにならないで”とか…寝言のオンパレードだったよ」

「うっ、まさか寝言で言っちゃうなんて…」

「朱里の全てを把握しとかないと気が済まない俺としては、この寝言の真意が知りたいわけだけど…白状しよっか」

「え?いや、あの…」

「言わないとキスの刑ね」

「キッ…!?分かった、言いますからっ…!」