イルミネーションが綺麗な夜ではなく、お昼にデートしたのには理由があった。
それは、毎年クリスマスの夜はたっくんの家族と合同でクリスマスパーティーをしているからなんだ。
だから、パーティーに備えて夕方には家に帰ったんだけど…
リビングに入るなり私の目に飛び込んできたのは、ダイニングテーブルに置かれたお母さんからの置き手紙だった。
手紙なんて珍しいな…と、それを手に取り読んでみる。
“聖なる夜はカップルでイチャイチャしないとね~。というわけで私達はダブルデートしてきまーす!”
イ、イチャイチャ…!?
そんな内容に、手紙を持つ手をプルプルさせていると、たっくんが家に入ってくる。
「朱里、どうする?今年はパーティやらないなんて聞いてないよね」
「うん。ダブルデートだって」
ギュッと握りしめていた手紙をたっくんに見せると、クスッと優しく笑った。


