でも言ってはみたものの、実際かなり恥ずかしい。
恥ずかしさで顔を上げることができなくて俯いてしまう私を、たっくんはすっぽり包み込むように抱きしめた。
「た、たっく…」
「もー…我慢してるのに触っちゃったじゃん。朱里のせいだよ」
抱きしめられた時にフワッと香る匂いも、
「朱里、大好き…」
耳元で囁く優しくて甘い声も、
伝わってくるたっくんの胸のドキドキだって…
幼馴染みの頃には、全部知らなかった。
好きって、可愛いって、そう言ってくれるだけで幸せだと思ってた。
でも、抱きしめられた時にしか感じることができない幸せもあることを知った。
たっくんとは何年も一緒にいるのに…初めて知ることばかりだ。
「朱里、クリスマスはデートしようね」
「そっか。もうすぐクリスマスだよね」
「うん。その日は敢えて待ち合わせとかしてみない?」
「それ新鮮かも!」
「でしょ?朱里と手を繋いでデートするの、子供の頃からの俺の夢なんだ」
大好きな人と過ごすクリスマス…
きっと素敵な日になるだろうな。


