「諒介さんは変な人だけど悪い人ではないんだよ」
「そ、それにしたっておかしいよ。好きな人いるのにいつも女の子と遊んでるなんて…」
「あの人、ああ見えて寂しがり屋なんだよ。だから色んな女の子と遊んでないと寂しくてたまらないんじゃないかな」
「寂しがり屋…?あの人が?」
「うん。でも朱里に触るのはムカつく。次触ったらぶん殴ってやろっと」
「えっ?優しいたっくんがそんなこと言ったらダメだよ」
たっくんはいつもニコニコ、キラキラ。
喧嘩なんて絶対しないし、いつでも優しくて穏やかなのにぶん殴るだなんて…
「俺は神様じゃないんだよ。ムカついたらキレるし腹立ったらぶん殴りたくもなる。そんな俺は嫌い?」
「き、嫌いじゃないけど…たっくんが怒ったとこなんて見たことないから……」
「俺にだって喜怒哀楽はあるよ。これから俺のそういう部分も知ってね。まぁ朱里といると喜と楽しかないから怒と哀は見せられないかもしれないけど」


