今日もたっくんに溺愛されちゃっています。




「バカップルうざー」



なんだか胸がいっぱいでちびちびとメロンパンを食べているとすぐ後ろから聞こえてきた声。

反応するように振り向けば、そこには矢吹先輩がいた。



「諒介さんどうしたの?昼休みに一人なんて珍しいじゃん」

「そうですよ。いつも女の子はべらかしてるくせに」



矢吹先輩のことは、たっくんから聞いた。

一途で悪い人じゃないのはよく分かったけれど…

それでも、見るたび違う女の子と一緒にいるこの人が私はやっぱり苦手だ。



そんな苦手な先輩は、ズカズカと私とたっくんの間に割って入るように座ってくる。

ほら、この人は強引なんだもん。

先輩から距離を取るように離れると、その視線は真っ直ぐ私に向けられた。



「あれ、なんで離れるの?朱里ちゃんは俺のセフレ4号候補なのに」

「な、なんってこと言うんですか!有り得ませんから!」

「そう?俺も朱里ちゃんのこと美味しそうって思ってるんだけどな」

「!?」



なにこの人…というかさっきの話聞いてたの!?

突拍子もない先輩の言葉に驚いていると、何故か先輩はため息をつく。