「あ、の…」
「朱里…もうグロス塗らないで」
「え?どうして?似合わない?」
「ううん。すごく可愛いよ。でも…塗らないでほしい。もし塗りたいなら俺といるときだけにして」
可愛いけど塗らないでほしいって……?
と、言われている意味がよく分からない私にたっくんは苦笑いを浮かべる。
「やっぱり朱里は言葉で言わなきゃ分かんないか」
「どういう意味?」
「そんなプルプルな唇してたらさ、美味しそうで他の男に狙われちゃうから」
「おっ、美味しそうなんてそんなこと……」
「そんなことあるんだってば。だからお願い、ね?」
「たっくんがそう言うなら…分かった」
「ん、ありがとう。それと、呼び方が元に戻ってるけど…まぁいっか」
たっくんはニコッと微笑むと、私の頭をポンポンッとしてお弁当を食べ始める。
すごい…なんかカップルっぽい。
本当にたっくん私の彼氏なんだ。


