「購買のメロンパンってさ、駅前のパン屋のくらい美味しいよね」
「う、うん」
すっごい顔近かった。
たっくんが近くに来ると、フワッと甘い香りがして…その匂いにすらいちいちドキドキする。
「いただきます…」
手を合わせてそう言ったものの…
たっくんが口を付けたかと思うと恥ずかしくてかぶりつくことができず、ちぎりながらメロンパンを食べることにした。
「朱里、メロンパン口に付いてるよ」
「えっ?どこ?ここ?」
「あー、違う違う。ここだよ」
「あ…」
どうやらメロンパンが付いていたのは下唇らしい。
たっくんがそこを親指で拭うと、顔から火が出そうなほど恥ずかしくなった。
絶対顔真っ赤なのに…
たっくんは、何故か私の唇から指を離してくれない。


