「うわ、隠し撮りかよ。しかも朱里たんって。キモオタ集団ヤベェ」
小さく呟くリュウジの声も、今の俺には届かない。
「朱里たん、最近唇ツヤツヤ、プルプルぅ~」
「あれはヤバス。食べちゃいたい」
「勇気を出して遊びに誘ってみちゃいますぅ?」
「いやいやぁ…でも幼馴染みという名のストーカーがいつもそばにいるからなぁ…」
あーあーあー。
これはヤバイね、絶対ダメなやつだね。
「拓海、キレんなよ…?」
「キレてないけどさぁ…ボッコボコのメッタメタにしてもいいかな?」
「思いっきりキレてんじゃん。しかも笑顔でそういうこと言うなって。怖すぎだから」


