◆◇◆拓海side◇◆◇
「拓海~、今日は佐伯の隣ゲットしなくていいのか?」
「今日は一緒に食べる約束してるからいいよ。二人がいいから飲み物買ったらリュウジはどっか行ってね」
「クソ、散々パシったくせに引っ付いたらのけもんかよ」
「いいじゃん。今度10円ガム買ってあげるからさ」
「安くね!?せめてジュースくらい買えよ」
学校での昼休み。
こんなどうでもいい話をしながら飲み物を求めて自販機に向かっている途中、外のベンチで数人の男子が何やら盛り上がっている声が聞こえてくる。
「ハフハフ…僕の朱里たん今日も可愛いなぁ」
「いやぁこっちの朱里たんもなかなか……」
朱里たん…朱里たん!?
それは聞き捨てならん、と後ろからコッソリ近付くと男子たちはそれぞれ手に写真を持っていて。
そこに映っているのは…全部朱里だった。


