私はそっと姿勢を変えると、潜り込むように布団に入り、天井を見上げて、終止符を打った恋愛をゆっくり思い返した。


宏智と付き合う以前、高校で同じクラスだった光《ひかる》という整った顔立ちの男と付き合っていた。


けれども、私の心の中には、雅紀《まさき》という別の存在が常に心に住み着いていて離れなかった。


光と私の共通の友人でもあった雅紀は、高校2年の夏に、突如として姿を消してしまっていた……。


普通なら、思い出も友情もそこで途絶えてしまうはずだったのかもしれない。


けれどもそれ以来、雅紀は私の忘れられない存在としてより強く、ときには、胸を締め付けられるほど、いとおしい存在となってしまったのだ。


勿論、彼が好きだったから……。