笠井 尚輝

それが、ケイくんの本当の名前……。



「尚輝くんっ……。 私、ずっと尚輝くんのことを応援してるからねっ……!!」



離れていく尚輝くんに、大きく手を振って声をかける。

尚輝くんはひらひらと手を振るだけで、少しも振り返らなかったけれど。

だけどそれでも私は、言葉を続けた。



「世界一にならなきゃ、許さないからね!!」



そう言った時、



「当たり前だろ」



尚輝くんはようやく振り返り、と満面の笑みを浮かべた。