その隣に並んで私も歩くと、ケイくんは私の手をそっと握ってきた。



「そのうちアメリカに招待するよ。 まぁ、活躍出来るようになったらだけどな。 じゃなきゃ無理。ダサいしハズい」

「うん、楽しみにしとく」

「英語の勉強しとけよ? いちいち通訳するなんて、面倒なことやってらんねーもん」


「それは……ほどほどに頑張る……」



……英語なんて大嫌いな科目だけど、でも、頑張らなきゃ。



「あぁそうだ、それと……」



と言いかけたケイくんは、足をピタリと止めたあと、私を見た。



「……お前に彼氏が出来たら、すげームカつく。 だから絶対、彼氏なんか作るなよ」

「え?」

「俺だけを想っとけ、ってこと」



そ、それって、もしかして……。



「ケイくんって、私のことを……?」



おずおずと聞いてみると……、



「そうだけど、何か問題ある?」

「あっ……」



……ケイくんが、私の髪を優しく撫でる。

その瞬間、顔がカーッと熱くなった。


ケイくんの想いを意識した時から、ケイくんの顔をまともに見ることが出来ない……。



「わ、私っ……私も、ケイくんに彼女が出来たらムカつく……というか、ヘコむと思う。
だからっ……だから、彼女なんか作らないでね……?」



そう応えるのが精一杯。

だけどそれでも、ケイくんは私の想いを理解してくれたみたいで、またにっこりと微笑んだ。



「お前のことしか想わない。 誓うよ」