メガネをかけただけで、印象がガラリと変わる。

にっこりと笑う顔も、汗を拭う仕草も、まるで昨日のケイくんとは別物だ。



「……メガネ、かける人だったんだね」

「なに、意外?」

「うん、かなり意外。 ほら、太一くんってちゃらんぽらんな人だから、その幼なじみのケイくんも、似たような人なのかなーって思ってた」


「あはは、幼なじみだからってそこまで似ないだろ。 祥ちゃんや悠くんだって、どう見たって違うだろ?」

「あ、確かに」



祥介さんも悠一さんも全然違うタイプだ。

ふんわり笑顔の祥介さんは、かなり頭が良さそうだから……うん、この時点で太一くんとは違う。

悠一さんは無口で、何を考えてるのかよくわからないから……なんでもベラベラ話す太一くんとは大違いだ。


幼なじみだけど、みんな全然違う。

今ここに居るケイくんも、太一くんとは全然違うし……それに、昨日の印象とも違う。


もちろんイケメンには変わりないけど、何て言うか……ちょっとだけ、優しい感じがする。

このケイくんになら、バスケットを教わりたい。 と、素直にそう思えた。



「予定の時間より早いけど、ぼちぼち始めるか」

「あっ、うんっ……!!」

「じゃ、シュート打ってみ」



へ……!? い、いきなり!?