翌日。

バスケ日和のいい天気。
そして、約束の時間まであと1時間……。



「うわー……緊張する」



遅刻したらヤバイ。と思ったから、早めに家を出たけれど。

……迷うこともなく歩き続け、その角を曲がればもう昨日の空き地だ。



「1時間も早く着いちゃったけど、さすがにまだ居ないよね」



そう思っていたけれど、なんか、ボールをバウンドさせる音がするような、しないような……?


恐る恐る、角を曲がって空き地を見つめる。



「……あ」



そこに居たのは、メガネをかけた、同い年くらいの男の子。

放つボールのすべてが、綺麗にゴールへと吸い込まれていく。



「わぁっ……すごいっ……!!」



と、思わず言ってしまった時。

男の子は一瞬 体をビクつかせ、バランスを崩して転んでしまった。


どうしようっ、私が急に声をかけちゃったせいだっ……。



「ご、ごめんなさいっ!! 凄いシュートを見てたら、自然と声が出ちゃって……!! ほんと、ごめんなさい!!」



慌てて、深々と頭を下げる。

うわわ……立ち上がった男の子が、私のところに来た……!?



「約束の時間より1時間も早いじゃん」

「……えっ?」



その声で、気付く。



「なっ……ケイくんっ……!?」



バッと顔を上げて見た先に居たのは、さっきまでシュートを放っていた、メガネをかけた男の子。

だけどその人は、昨日の最低最悪な男……ケイくんだった。